歯科裁判実績

歯科医療関連訴訟事案(解決事例)

事案 概要
歯列矯正期間に関するトラブル
令和元年11月13日
歯列矯正の診療契約締結時に説明義務違反があったとして治療費全額と慰謝料の支払いを命じる逆転勝訴判決を勝ち取った事例 ▸詳細
ご遺族からの損害賠償請求
平成30年2月11日
病院、担当医師及び関与医師が、癌によりご逝去された患者様について遺族より総額78,297,000円請求されたが、全面棄却が認められた事案 ▸詳細

注目の事案

歯列矯正期間に関するトラブル

歯列矯正の診療契約締結時に説明義務違反があったとして治療費全額と慰謝料の支払いを命じる逆転勝訴判決を勝ち取った事例

判決日:令和元年11月13日

【案件の概要】

依頼人は、相手方クリニックで、コルチコトミーと呼ばれる歯茎の骨に深さ数ミリの小さな切れ目を入れる術式を行えば、依頼人の症例では通常2年半かかる歯の移動期間を目安1年に短縮できるという説明を受けて、相場の2~3倍の料金で診療契約を締結し、診療契約前の検査料金も含めると約287万円を支払ったが、実際には2年3か月が経過しても一向に治療が終了せず、院長に尋ねても終了時期について明確な説明を受けることができなかった。

【経過】

そこで、依頼人から委任を受けた当職らは、証拠保全手続によって診療記録を入手した上で、相手方クリニックに対して、説明義務違反があったことなどを理由として、治療費全額と慰謝料の支払いを求める訴えを提起した。
一審の東京地裁では、知り合いの大学教授の意見書に基づいて、相手方クリニックの治療法に医学的根拠がないことの立証を図ったが、結果的には、説明義務違反その他の主張は全て排斥され、相手方クリニックが訴訟前から返金に応じる旨述べていた約20万円のみの支払いを命じるという、事実上の全面敗訴判決となった。
そこで、当職は、つてをたどって、3大学の教授と准教授、計6人から新たに意見書6本を入手し、相手方クリニックの治療計画では依頼人の症例を目安の1年間で治すことは不可能であったことを立証した。
その結果、控訴審の東京高裁では、診療契約後の治療費全額である約250万円、及び慰謝料100万円を含む約385万円の支払いを命じる逆転勝訴判決を得た。
その後、最高裁で相手方クリニックの上告が棄却され、依頼人の勝訴が確定した。

【ポイント】

医療訴訟は難易度が高いと言われますが、説明義務違反は、その中でも特に難しい部類に属します。
今回、そのような難しい訴訟で勝つことができた最も大きな要因は、多くの専門家から支援を受けられたことです。
医療訴訟では、どれだけ信頼性の高い鑑定書を提出できるかが、勝敗を左右する一つのポイントとなります。そのため、鑑定書集めも、代理人の大きな仕事と言えます。
この点、私どもは、歯科業界に広いネットワークを有しており、鑑定書集めには秀でております。本件は、私どもの強みが活きた事件と言えるでしょう。

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